太陽光パネルの種類と特徴をわかりやすく解説していきたいと思います。
太陽光パネルは大きくわけると「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つに分類され、更にそこから細かく分かれていきます。
日本の市場で最も多く利用されているのが比較的安価で発電効率もいいシリコン系の太陽光パネルとなっています。
シリコン系
単結晶シリコン
セル全体がひとつの結晶となっており、結晶の密度が高いため面積当たりの変換効率が高く、小さな面積でも高出力が期待できるパネルとなっています。
変換効率は20%前後で、日本にある多くの太陽光パネルでこの方式を採用しています。
ただし密度が高くなる分他の方式に比べると若干値が高くなります。
多結晶シリコン
単結晶シリコンパネルには使用できない小さな結晶を集めて作ったパネルで、変換効率は単結晶シリコンに劣りますが安価に製造できるため日本でも多く採用されています。
特にまとまった面積を確保できている場合はコスト面も考慮し多結晶シリコンの太陽光パネルが使われることが多くなっています。
日本の太陽光パネルはこれら単結晶シリコンと多結晶シリコンがほとんどを占めており、今後も主流商品となるのは間違いありません。
アモルフィスシリコン(薄型シリコン)
ガラスなどの基板にガス状にシリコンを吹き付けて薄い膜を形成することで作られる太陽光パネルで、シリコンの結晶を作成する必要がない分製造コストが抑えられるのが特徴です。
高温時の発電効率の低下が少ないとされていますが、エネルギーギャップが大きく発電効率自体がまだまだ低いのが現状です。
軽くて安いパネルができますが実際にはまだまだ実用化できるレベルに達していないため今後期待される方式です。
HITシリコン (単結晶ハイブリッド型)
単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせて作られたハイブリッド型の太陽光パネルとなっています。
単結晶シリコンの発電効率の良さとアモルファスシリコンの熱に強い特徴を持っており、パナソニックが開発をおこないパナソニックと長州産業で販売されています。
実地試験ではまだまだその強みを生かし切れていないようですが、今後さらなる進化をするのは間違いないでしょう。
化合物系
銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)を主原料とするCIS太陽電池や、これにガリウム(Gallium)を加えたCIGS)、カドミウム(Cd)とテルル(Te)を主原料とするCdTe太陽電池の開発が進んでいます。
シリコンを使わず薄い膜状の半導体とすることで、製造時の消費エネルギーや排出CO2を少なくできる特徴をもっていますが、現時点ではまだまだシリコン系に発電効率で劣っています。
このパネルを積極的に開発しているのはソーラーフロンティアですでに実用化もされていますが、発電効率が悪いため容量を確保するには大きな面積が必要なります。
有機系
シリコンなどの無機物を使わず有機物だけを使って作られる太陽光パネル。
有機ディスプレイなどのように薄くて軽く折り曲げることもでき、安価に製造できるというメリットもありますが実用化されるのはまだまだ先のことになると思います。
このように太陽光パネルにはいくつか種類がありますが、日本で最も普及しているのはシリコン系の太陽光パネルとなっています。
自宅にどの種類のパネルを設置するべきが悩んでいる方は予算の範囲内で最も効率よく発電できるシステムを設置するにはどのパネルを選べばいいのか業者としっかり話し合ってみてください。