太陽光発電と併用する蓄電池の仕組みについて解説していきたいと思います。
太陽光発電の設置を検討したことがある方なら一度は蓄電池の併用について考えたことがあると思います。
蓄電池があれば太陽光発電で発電した電気を蓄えておくことができ、停電になった時や災害時などに利用することができるという説明を見たことがある方も多いと思います。
しかし実際に蓄電池を併用する場合は太陽光発電で発電した電気をためることはほとんどありません。
蓄電池を併用すると電気代の安い深夜に蓄電池の充電を行い、その電気を電気代の高い昼間に利用することになります。
蓄電池を併用した場合の簡単なサイクルは以下のようになっています。
蓄電池には売電している間も放電し続けるモードと売電している間は放電しないモードがあり、蓄電池によってどちらか一方しか選べないこともあれば設置時にどちらかを選択することができるようになっている物もあります。
売電している時に放電すると太陽光発電で発電した電気を自家消費する分が少なくなり、その分を売電に回すことができるようになるので売電量が上がります。
これは「押し上げ効果」や「ダブル発電」と呼ばれているのですが、売電量が多くなる分売電価格が下げられてしまいます。
太陽光発電のみとダブル発電の売電価格の違いは以下のようになっています。
年度 | 押し上げ効果なし | 押し上げ効果あり(ダブル発電) |
2016年(平成28年) | 31円(出力抑制なし) 33円(出力抑制あり) 10年間 |
25円(出力抑制なし) 27円(出力抑制あり) 10年間 |
2017年(平成29年) | 28円(出力抑制なし) 30円(出力抑制あり) 10年間 |
25円(出力抑制なし) 27円(出力抑制あり) 10年間 |
2018年(平成30年) | 26円(出力抑制なし) 28円(出力抑制あり) 10年間 |
25円(出力抑制なし) 27円(出力抑制あり) 10年間 |
2019年(平成31年) | 24円(出力抑制なし) 26円(出力抑制あり) 10年間 |
24円(出力抑制なし) 26円(出力抑制あり) 10年間 |
これを見ると2019年度以降は太陽光発電のみとダブル発電の売電価格に差はなくなっているのがわかります。
おそらくこれは太陽光発電だけでなく蓄電池の普及を進めるためでしょう。
よって2019年以降は蓄電池を設置するならダブル発電を選択した方が確実に得をするようになりますが、そもそも蓄電池の価格自体がまだまだ高いため元がとれるかどうかは微妙なところだと思います。
情報をまとめると、蓄電池の仕組みを理解するためには「買電料金の時間差」、「ダブル発電」、「売電価格の違い」を知っておく必要があります。
蓄電池を利用することで電気代が安くなるのは間違いありませんが、それが200万円以上する蓄電池の元をとれるほどかと言われれば微妙なところになります。
今後は100万円前後で設置可能な蓄電池も登場してくると思われるので、それが出るまで待ってみるのもいいかもしれませんね。