卒FIT後に蓄電池を導入するのはありなのでしょうか?
FIT法が施行されてから2019年でちょうど10年目を迎えるため、初期に導入した約9万世帯で固定価格での買取が終了します。
これにより国や各電力会社は蓄電池を導入して自家消費をすることを推奨しています。
実際卒FITが騒がれ始めてから蓄電池の見積もり件数が急増したそうです。
ただ本当に蓄電池を利用したほうがお得なのでしょうか?
太陽光発電と一緒に蓄電池を併設している場合
2009年当時で蓄電池を導入していた人はほとんどいないと思いますが、その後に後付けで設置した方なら多少はいると思います。
卒FIT後は売電価格よりも買電価格の方が高くなるといわれています。
各電力会社の売電価格については以下を参考にしてください。
https://www.grimaco.org/baiden/sotufit-kaitorikakaku/
これに対して買電価格は1kWhあたり20円~25円ぐらいだといわれています。
そのため自家消費を増やして買電量を減らした方が経済的には得をするということになります。
現時点ですでに蓄電池を導入している場合は新たな出費もないので、推奨通り発電した電力をそのまま自家消費したほうがいいでしょう。
蓄電池の設定を変えることによって効率よく電気を使えるようになると思いますので設置業者に聞いてみたり説明書を読んで最も得をする方法を探してみるといいでしょう。
これから蓄電池を導入する場合
これから蓄電池を導入する場合はその分コストがかかることになります。
最近は安くなってきたとはいえ100万円~300万円ぐらいはかかってしまいます。
仮に100万円で蓄電池を導入できたとしましょう。
4kWの太陽光発電システムを導入していたとしたら1年間での発電量はおよそ4000kWhとなります。
蓄電池がない場合は自家消費と売電の割合は3:7ぐらいになるそうです。
蓄電池があればこれが10:0になるというわけですね(実際は理想通りにはいきませんが)。
卒FIT後に自家消費することでだいたい1kWhあたり10円程度得をすることになります。
これを売電の割合と照らし合わせると2800kWh×10円分を得をすることになるということです。
つまり1年間で28000円の得をすることになり10年間で約30万円の得をします。
先ほども言ったように蓄電池の導入価格は安くても100万円ぐらいするので、現時点での価格ではどうやっても元を取ることはできないということですね。
ただ経済的にはデメリットでも蓄電池があれば災害時などに電気を使えるというメリットもあります。
なので導入する際は経済面だけで考えるのではなくほかのメリットも考えたうえで検討するのがいいでしょう。
仮想蓄電サービスの提供も
関西電力では太陽光発電の余剰電力を同社が一時的に預かり、必要なときに引き出すような形で使える仮想蓄電サービス「貯めトクサービス」の提供を開始すると発表しています。
詳細についてはまだ不明ですが、このサービスが実現すれば蓄電池がなくても同じような効果が期待できるというわけです。
蓄電池がある場合と全く同じようになることはまずありませんが、買電するよりはお得になると思われるので、対応エリアに住んでいる場合は検討してもいいと思います。
ほかの電力会社だと四国電力あたりが同じサービスを検討しているようです。
このサービスにはいろいろ問題があるようなのですが実現できれば太陽光発電を導入している方にとって追い風になるのは間違いないでしょう。